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2017年4月 9日 (日)

往診

 「ぱそこんドクター診療所」を開設してから数年が過ぎた。

 パソコン使用者である「患者さん」が診療所にやってきて、その場で問題を解決する。
しかし、トラブルは自宅でないと解決しないことがある。
「無線ルータ」や「プリンタ」等である。
さらに、緊急を要する時には、「患者さんの自宅」へ直行する。

これらを「往診」と呼んでいる。患者の多くはシニア層である。

 先日、電車に乗っている時に、女性のFさんから「メール」が入った。
「パソコントラブル」である。
トラブル症状は「ログイン時に「パスワード入力欄」が表示されない」とのこと。
電車で移動中では、電話で詳しい説明ができないので、
「電源オフして、さらに電源オンしてください」とメール返信した。
しかし、「症状は変わらない」と返事が届いた。
結局、Fさんの自宅に行くことになった。

 自宅を訪問してパソコンを見ると、
「電源ボタン」を強く押していなかった為に、完全に「シャットダウン」されていなかったのである。
「電源オフ・オン」しただけで、「パスワード入力欄」が表示され、問題は解決した。
作業はたったの1分で終わった。

 パソコンは、「リビングテーブル」に置いてあった。
筆者が帰ろうとした時にそのテーブルに両手を付いた。
その時、テーブルがグラついた。
よく見ると、机の脚がしっかりと固定されていないではないか。

「どうしたのですか?」(筆者)
「手で脚を締めたのですが…締めきれなくて…」(Fさん)
「道具箱はありますか?」(筆者)
Fさんは、すぐに「道具箱」を持って来た。
テーブルをひっくり返して、道具を使って脚のネジを締めるとしっかりと固定された。
作業は終わったかに見えたが、テーブルの上にはもう一枚の板があり、それがまたズレる。
「どうしたのですか?」(筆者)
「実はこのテーブルは炬燵として使用していたのです」(Fさん)
テーブルの上の板もネジを締めて机に固定した。
テーブルに関する作業時間は約20分。
「これでリビングテーブルは大丈夫です」(筆者}
Fさんはテーブルを両手で押しながら、「グラつかない」ことを確認した。
「ところで、テーブルはいつからグラついていたのですか?)(筆者)
「・・・・・・」(Fさん)
Fさんが座っている後ろには和室があり、仏壇には「ご主人の写真」が…
きっと、テーブルはFさんにとって長年の「懸案事項」であったに違いない。

Fさんの顔はニコニコ…。とてもいい顔をしている。
その顔を見て、筆者も「うれしく」なった。
「今日は、いい仕事をしたな~」(筆者}

「往診メニュー」に「便利屋」が含まれてしまった。

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